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所有者不明土地の利用を円滑化する法案が決定!

浅里 謙介

所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案

[speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”asari.png” name=”あさり さん”]調布市でも増えてきている空き家問題。所有者を調べてみても、不明なことも多いのが現状ですね。 [/speech_bubble]

 

人口減少・高齢化の進展に伴う土地利用ニーズの低下や地方から都市等への人口移動を背景とした土地の所有意識の希薄化等により、所有者不明土地()が全国的に増加しており、今後も、相続機会の増加に伴って増加の一途をたどることが見込まれています。
所有者不明土地は、所有者の特定等に多大なコストを要するため、公共事業の推進等の場面でその用地確保の妨げとなり、事業全体の遅れの一因となっています。
こうしたことから、所有者不明土地を円滑に利用することを目的として、本法律案を国会へ提出し、政府として3月9日に閣議決定しました。
不動産登記簿等の公簿情報等により調査してもなお所有者が判明しない、又は判明しても連絡がつかない土地

法律案の概要

(1)所有者不明土地を円滑に利用する仕組み

反対する権利者がおらず、建築物(簡易な構造で小規模なものを除く)がなく、現に利用されていない所有者不明土地について、以下の仕組みを構築します。

  • 公共事業における収用手続の合理化・円滑化(所有権の取得)
    国、都道府県知事が事業認定した事業について、収用委員会に代わり都道府県知事が裁定します。
  • 地域福利増進事業の創設(利用権の設定)
    地域住民等の福祉・利便の増進に資する事業について、都道府県知事が公益性を確認し、一定期間の公告に付した上で、利用権(上限10年間)を設定(所有者が現れ明け渡しを求めた場合は、期間終了後に原状回復、異議がない場合は延長可能)します。

(2)所有者の探索を合理化する仕組み

  • 土地の所有者の探索のために必要な公的情報について、行政機関が利用できる制度を創設します。
  • 長期間、相続登記等がされていない土地について、登記官が、長期相続登記等未了土地である旨等を登記簿に記録すること等ができる制度を創設します。

(3)所有者不明土地を適切に管理する仕組み

  • 所有者不明土地の適切な管理のために特に必要がある場合に、地方公共団体の長等が家庭裁判所に対し財産管理人の選任等を請求可能にする制度を創設します。

 

[speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”asari.png” name=”あさり さん”]空き家を活用する新たな動きが増えてくるのでしょうか?調布の街の若返りとして期待されますね。 [/speech_bubble]

空き家が発生する原因とは

空き家になる理由は十人十色。持ち家の方は、誰にでも起こりうるものです。

空き家問題は、空き家の存在自体が問題ではなく、防犯、雑草の繁茂などによる害虫への懸念、倒壊の危険などの面が、近隣への悪影響と発展し、問題となります。
このことから、空き家問題は所有者側の視点ではなく、近隣住民側の視点で語られることがほとんどです。その結果、残念ながら空き家は地域の景観や安全を損なうものというイメージが定着してしまいました。
空き家問題は、所有者が「悪」で、被害を受ける可能性のある近隣住民が「善」という単純な構図ではありません。空き家問題の特性として、所有者自身も管理や利活用について、困っている状況にある方が増えている実態が存在するからです。
この特性を裏付けるデータとして、空き家となる住宅を取得した経緯に「相続した」56.4パーセントという調査結果が出ています。「空き家実態調査」として国土交通省が平成26年に実施したものです。
空き家を所有する結果となった方々は、法律や税制、物理的な問題だけではなく、心理的な問題(実家の思い出など)であることが多いため、簡単な解決につながらない状況があります。
また、親が老人ホームへの入居や高齢に伴う同居、認知症の発症など、自分自身で空き家の管理が難しくなることもあり、子どもが実家の管理に苦労することもあります。
さらに、年々増加する単身の高齢世帯では、相談相手も限られており、管理不全な空き家の増加要因が加速するものと懸念されています。 

調布市の取り組み

調布市では、各関係部署で個別に対応していた状況の見直しを図るため、平成27年度に庁内検討組織「都市整備対策協議会連絡調整会議(空き家対策)」を立ち上げ、関係部署との現状把握、情報共有、調査実施等による検討を実施。平成29年4月からは、住宅課で新たに「空家担当」を設置いたしました。
平成29年6月には、学識経験者、市内不動産関係者等で構成する「調布市空家等対策検討委員会」を設置。調布市の空き家問題について検討を重ねています。
実施した調査結果と分析・検討結果報告については、平成30年度に調布市の取組案及び提案として公表を予定しています。

平成27年度

  1. 「都市整備対策協議会連絡調整会議(空き家対策)」を新設。庁内各関係部署で情報共有、課題の抽出、問題点などの検討開始。
  2. 「調布市空家等実態調査」を実施。

平成28年度

  1. 「調布市空家等所有者意向調査」を実施。

平成29年度

  1. 「空家担当」を都市整備部住宅課内に設置。
  2. 「調布市空家等対策検討委員会」を設置。
  3. 空家等対策における情報発信、啓発事業の企画、実施。(セミナー開催、ホームページ開設など) 

[speech_bubble type=”think” subtype=”L1″ icon=”asari.png” name=”あさり さん”]比較的都市部に近い調布市でも空き家問題が今後懸念されています。調布市でも空き家に関する相談窓口を設置していますね。 [/speech_bubble]

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Asari Kensuke
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事業用不動産の専門部署  業務内容:多摩エリア全域 事業用物件の空室対策や、空き家の活用、事業用不動産の売買などを行っております。 ◇宅地建物取引士 ◇賃貸不動産経営管理士 ◇不動産コンサルティングマスター
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