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在宅避難と防災備蓄に関して

浅里 謙介

近年は地震災害が日本各地を襲っています。突然の災害に備えて、政府では在宅避難を促すことが多くなりました。

在宅避難とは自宅の安全が確保されている場合に、自宅で待機してもらう避難方法です。
ですが、何の防災設備もない状態で、自宅に待機するというのは入居者も不安に感じることでしょう。そのため、政府では物件に防災備蓄を用意することを推奨しています。

 防災備蓄とは、災害によって電気・水道といったライフラインが止まってしまった際に、利用できる最低限の食料や生活必需品の事を指します。防災備蓄を用意することによる入居者最大のメリットは災害の状況が分からない中で、安易に外出しなくてもよい点です。被災者の安易な行動を抑止し、減災に繋ぐためにも、防災備蓄の導入を検討してみるのはどうでしょうか。

 

 ところで、賃貸物件のオーナーはどこに防災備蓄を置けばよいのでしょうか。
物件に広い共用部があり、備蓄倉庫として利用できるスペースがあるのなら特に問題はないのですが、実際問題、すべての物件がそのようなスペースを確保できるとは限りません。

 そのような場合は、各戸のベランダに小さな備蓄庫を備え付けるのを推奨します。ベランダのスペースにもよりますが、単身者向けのワンルーム物件などではお部屋の中にスペースを確保することは難しいでしょう。簡易的な備蓄庫であれば生活に支障のない範囲で設置することが可能です。

おわりに
 防災に関しては、準備しなくてはいけないと感じていても、まだ自分事のように捉えることができず、後回しにしてしまっている大家さんがたくさんいます。
しかし賃貸経営する上で、自分の物件で入居者様の命を預かっているという意識は決して忘れてはいけません。

 最初から防災に関する大きな工事をすることはハードルが高いので、是非ともこの機会に小さな準備から始めてみるのもよいかと思います。また、地域で行われている防災訓練に出席してみたり、市のハザードマップを確認し、手持ちの物件がどのような災害に遭う可能性があるのかを予め知っておくことも重要でしょう。

 大家さんが物件の事をより詳しく知り、入居者の安全を第一に考えた施策を行えば、内見の際にもお客様に大家さんの入居者に対する考え方が伝わり、物件のイメージアップに繋がるかもしれません。入居者の心を掴む的確な改修を行って、お手持ちの物件をより魅力的にしていきましょう! 

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Asari Kensuke
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事業用不動産の専門部署  業務内容:多摩エリア全域 事業用物件の空室対策や、空き家の活用、事業用不動産の売買などを行っております。 ◇宅地建物取引士 ◇賃貸不動産経営管理士 ◇不動産コンサルティングマスター
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