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その設備ニーズ有るの?~事業用物件の原状回復3つのポイント~

akane ichige

事業用賃貸の原状回復について考える

こんにちは!調布みつぎの石坂です!

今回は、事業用の賃貸物件の「原状回復」について考えていきたいと思います。

「原状回復なんて居住用物件も事業用物件も同じでしょ?」なんてお思いの方もいらっしゃるかと思います。当然そういったパターンもあります。しかし、日々事業用物件を取り扱っている我々からすると、事業用物件の原状回復をマンションやアパートなどの居住用物件と同じものと考えていると、オーナー側が不利益を被る場合があると感じます。

そういった問題を回避するための、3つのポイントをご紹介します。

居住用物件と事業用物件の原状回復の違い

原状回復とは、借りている物件を退去するときに、物件を借りる前の状態に戻す事を言います。原状復帰と言う場合もありますが、どちらも同じ意味になります。

居住用物件であれば、クロスを張り替えたり、畳を交換したり、クリーニングを入れたりすることが原状回復になるでしょう。また、こういった工事はオーナーが発注する場合が多いと思います。

事業用物件の原状回復にはお金が掛かる

しかし、店舗や事務所などの事業用物件では、そもそも入居時に大きな内装工事を入れている場合があり、居抜きの場合を除き、店舗などはほとんどのケースで入居時に内装工事があることでしょう。

そういった物件の原状回復は、居住用物件とは比べものにならない程、規模も金額も大きな工事になります。また、工事を発注するのはテナント側になります。

例えば、スケルトン(※)物件を借りて、お店の内装を一から作った場合の原状回復は、全ての内装を解体・撤去しなければならないということです。飲食店であれば、厨房設備や空調設備なども撤去しなければならない為、相当なお金がかかる事は想像がつくかと思います。

※スケルトン・・・設備や内装が一切ない物件。トップ画像の様なものを言います。

当初の取り決め通りに原状回復しないパターンもある

基本的に、事業用物件の賃貸借の契約でも、原状回復の取り決めがあると思います。しかし実際のところ、事業用物件での原状回復は、不動産オーナーと入居者の間で協議するパターンが多いです。何故かと言えば、原状回復には大きな金額が掛かり、入居者側もなるべくそうした費用をできるだけ削減したいという思いがあるためです。

オーナー合意の上で設備を残す

例えば、退去時にオーナーと入居者との間で、協議が行われ、単純に撤去するにはもったいないお金のかかった設備(オシャレな照明などの内装)や、次の入居者でも使えそうな設備(空調設備など)を残した方が良いだろうとなるケースは良くあります。

入居者が業績不振で撤退・倒産してしまう

また、店舗の退去理由には業績不振や倒産もあります。そういった場合、工事費を捻出できない入居者側がオーナーに頼み込んで、原状回復工事を実施しないということになるケースもあります。

敷金・保証金を返却しない代わりに原状回復しない

他にも、入居者が原状回復工事を行わず、そのかわりオーナーは保証金や敷金を返却しないといった取り決めを、退去時にするケースもあります。次の入居者が既存の設備を使う場合、その方が、原状回復分の工事費が浮いてオーナーが得をするからです。もし、後で原状回復が必要な場合でも、返却しなかった保証金や敷金を使って工事を行います。

他にも様々なケースがありますが、ここで言いたいことは、事業用の原状回復は、居住用物件の様にすんなりいかないことも良くあるということです。

事業用物件の原状回復における3つのポイント

長くなりましたが、事業用物件の原状回復には様々なケースがあり、居住用物件の様にすんなり手続きが進まないということをお分かり頂けたかと思います。

こうした原状回復の一連の手続きをスムーズに進めていくためのポイントは以下の3つになります。

①入居前に原状回復の範囲をハッキリさせる

賃貸借契約書に原状回復についての項目があると思いますが、その部分はしっかりと「何をどういった状態にするのか」を細かく取り決めた方が良いと思います。場合によっては別紙で覚書等を取り交わしても良いかもしれません。いずれにしても、お互いの共通認識が細かいところまで図れていることが重要です。

②できれば図面があると良い

物件引渡し時の物件の状態を表した平面図や立体図面があればベストです。文章よりも図面の方がよりオーナーと入居者の間での認識のズレが少なくなります。

③設備を残す場合は、不動産会社と良く相談する

「次の入居者もこの設備は使いそうだな」と思うこともあるかもしれません。しかし、本当にその設備にニーズがあるのか、その設備があることによって、入居者が自分の物件を選んでくれるかどうかは良く考えなければなりません。その場合は、常日頃、物件を探しているお客さんと一番良く接している不動産会社に相談して一緒に考えるのが良いでしょう。

事業用物件を多く取り扱っている不動産会社に相談を

相談を持ちかける不動産会社は、事業用の賃貸物件を多く取り扱っているかどうかで判断しなければなりません。専門でやっていればベストだと思います。そういった会社であれば、当然事業用の物件を探しているお客さんとも多く接しているので、お客さんのニーズについてもよく理解しているからです。

以上の3つを実践することが、次の入居者の早期成約に繋がりますので、是非実行してみてください!

もし、原状回復に関わらず、事業用物件でお困りのことがあれば、事業用賃貸物件の専門部署がある調布みつぎにお気軽にご相談下さい!

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Asari Kensuke
Asari Kensuke
事業用不動産の専門部署  業務内容:多摩エリア全域 事業用物件の空室対策や、空き家の活用、事業用不動産の売買などを行っております。 ◇宅地建物取引士 ◇賃貸不動産経営管理士 ◇不動産コンサルティングマスター
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