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築古アパートの収益改善の方法とは

浅里 謙介

築古物件は一般的に空室率が上昇傾向にも関わらず建物の維持等、多くの問題に直面します。どのように活かしていくか将来、最善の選択ができる様に準備しておく事が重要になります。

【築古アパートが抱える問題】


・空室率上昇と家賃下落
・経年劣化等を防ぐための長期修繕計画の実行
・キャッシュフローバランスの崩壊
・周辺エリアのマーケット変化
・資産の組換え時期
・次世代家主(子供・孫)も含めた家族の話し合い

長くアパート経営を続けていると空室問題は避けられないものです。
また適度な修繕を加えない建物はどんどん劣化する為、空室問題以外にも耐震性が低下するなど災害リスクも考慮しなければなりません。


 また、キャッシュフローバランスの点で新築時の家賃から10%下がっていたり、空室率が50%を超えていたら注意が必要です。専門家に相談してアパートの効果測定を行い、今後の資産の組換えまで考える必要があるでしょう。

【築古アパートの3つの選択肢】


 アパートを所有している人は家族信託等の特殊な例を除くと主に3つの中から選択を迫られる事になります。

①建て替え
 建て替えにはエリア・周辺環境を踏まえ、入居者ニーズを細かく調査し把握することが重要です。それにより入居率アップと同時に退去率をダウンさせ収益性の向上を可能にします。一方、建築費用が高額となる為、現在の資産状況を再確認する必要があります。費用の試算やアパートのローンの融資先、家賃収入の見込み等、細かく収支シミュレーションを行うことが大切です。また現在入居者がいる場合は立ち退きの案内を行わなければなりません。

②リノベーション
 既存の建物に対して新たな機能や価値を付け加える改装工事を意味します。建て替えより安価で工期も半分くらいで済み、家賃の値上げなど長期的に見て収益アップが期待出来ます。現代では建築や改修の技術向上による建物自体の長寿化と、機能や設備・デザインなどが良ければ建物自体の築年数にこだわらないというユーザーの意識変化があいまって、賃貸住宅として収益化できる期間が一気に伸びている為、建て替えより収益が多いケースもあります。

③売却
 メリットとしては現金化や税金関係の軽減、次の資産の組み換えの原資等が挙げられますが、仲介手数料や譲渡所得税などの諸費用がかかることや、すぐに売却できない可能性もあります。

【まとめ】
 築古アパートのオーナーはいずれ「資産の組み替え」を考える必要があります。所有の不動産、資産の状況等や新型コロナ不況の波も見据え最善の選択ができる様、専門家に相談して準備しておきましょう。

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Asari Kensuke
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事業用不動産の専門部署  業務内容:多摩エリア全域 事業用物件の空室対策や、空き家の活用、事業用不動産の売買などを行っております。 ◇宅地建物取引士 ◇賃貸不動産経営管理士 ◇不動産コンサルティングマスター
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