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土地登記の義務化 相続3年内に 違反なら過料へ

築山(つきやま)

こんにちは!
調布みつぎの築山です。

突然ですが、今の日本で、所有者が不明な土地がどれほどあるかご存知でしょうか?
推計の話ですが、なんと九州本島を上回る4.1万㎢に及ぶそうです。


日本の国土が37万㎢ですので、現段階で国土のおよそ1割以上に匹敵する土地が所有者不明であり、さらに対策が進まなければ、約20年後の2040年には7.2万㎢(北海道相当)に増えるとの見積りもあるそうです。
所有者が死亡して相続する際、次の所有者を登記しないことが、大きな要因とのことです。

所有者不明土地の増加は、様々な社会問題を引き起こしかねません。

日経新聞電子版 2019年8月2日より
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48080320R00C19A8000000/

そこで政府は対策を急いでいます。
2021年2月11日付の日本経済新聞によると、法制審議会は相続や住所・氏名を変更したときに土地の登記を義務付ける法改正案を答申しました。
相続から3年以内に申請しなければ10万円以下の過料が科されます。
政府は3月に改正案を閣議決定し、今国会で成立の上、2023年度施行を目指しています。

日経新聞2021年2月11日より https://www.nikkei.com/article/DGKKZO69035900R10C21A2MM8000/

今は相続が発生しても登記は義務ではありません。
申請しなくても罰則がなく、土地の価値が低かったり、手続きが面倒と感じたりした場合は、放置する例が後を絶たないそうです。
死亡者の名義のまま年月を経れば、所有権の把握は当然難しくなります。
登記上の名義人が江戸時代の生まれで、法定相続人が200人近くに上るというケースも、実際にあるようです。

大局的な視点でみれば、今回の政府の方針は大きな意義があるかもしれません。
しかしながら、登記手続きが煩雑で、かつ経済的負担を伴うものであれば、
義務化とは言え制度が形骸化してしまいかねません。

今回は下記のように、登記手続きの負担なども減らすことが盛り込まれています。
・相続人のうち1人の申し出で登記できる
・10年間届け出がなければ行政が法律で定める割合で遺産を配分する「法定相続」にする
・住基台帳ネットワークで死亡者を把握し、登記に自動的に反映する仕組みもつくる
・裁判所が管理人を選べば不明所有者に代わって土地や建物の売却も可に

今回の制度が広がれば、有効利用ができていない不動産など、都市開発が進む可能性もあるとのことです。

一方で、既に所有者が不明になっているへき地の山林などでは、公共事業や民間の開発の対象外なら、引き続き放置される可能性もあります。
少子高齢化の進展とともに全国で空き家が増加し社会問題となって久しいですが、マーケットが活発な都市部と、そうでない地方部で起きている問題と、同じ構図と言って良いのかもしれません。

今回の法改正実現により新たな所有者不明土地が生まれることの抑制を期待しながら、日の当たらない地方部での土地活用など、根本的な改善策が待たれます。

今後も、オーナー様の賃貸不動産経営、賃貸管理(管理委託)にまつわるお役立ち情報を発信してまいります。

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Asari Kensuke
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