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不動産業のコロナ対策について【国交省ガイドライン】

ソーシャルディスタンス
石坂

5月20日に、国土交通省より不動産会社へ向けて新型コロナウイルス感染症対策についてのガイドラインが発表されました。

不動産業は接客・サービス業に分類される業種ですが、緊急事態宣言が発令された段階でも不動産業への自粛要請はありませんでした。

社会における不動産業の立ち位置として、国交省のガイドライン冒頭には以下のようなことがかかれています。

不動産業は、我が国の豊かな国民生活、経済成長等支える基幹産業とし
て、その社会的使命を果たしていく必要があり、「新型コロナウイルス感染
症対策の基本的方針(令和2年5月4日変更)」において、不動産業は社会の安定の維持の観点から、緊急事態措置の期間中にも、継続を求められる事業として位置づけられている。

不動産業における新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン(業界団体向け)―国交省

ガイドラインによれば、不動産業は国民の生活基盤や経済を支えるために、自粛期間中にも営業の継続が必要になる仕事ということになります。

今回はそんな業界へ向けて発表されたガイドラインの内容について、具体的な取り組みなどと併せて紹介していきます。

現在、不動産会社がどのような取り組みをしているか、これからどのような取り組みを進めていくのかが気になる方は、ぜひ最後までお付き合いください。

国交省ガイドラインの概略

どんなことが書かれているのか?

今回5月20日に国交省から発表されたガイドラインは、正式には「新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン(業界団体向け)」といいます。

ここには何が書かれているかというと、不動産会社が実施すべき具体的な対策について書かれています。

例えば、テレワーク時差出勤マスク着用消毒などはもちろんのこと、不動産会社だけの特殊なケースにおける対策ついても方針が書かれています。

ただ、不動産業以外の接客業やサービス業、他の業種での事務の仕事における対策と共通することが多いです。

すでに対策を実施している会社もある

不動産業界向けのガイドラインが発表されたのはつい最近のことですが、不動産業界が全くコロナ対策をしていないわけではもちろんありません。

大手不動産会社を中心に、3月下旬から休業テレワーク時差出勤等を導入する会社が増え始め、自粛要請が出てからも各対策を実施する企業は増えていきました。

また、接客についても、高齢の方が多い不動産オーナー様への訪問を自粛したり、物件を借りたいお客様へはオンライン内見IT重説などを活用したりして、対面での接客を避ける取り組みを進める会社が増えてきています。

オンライン内見やIT重説を活用すれば、不動産会社へ一度も来店することなく部屋を借りることができます。これらのサービスについては、下のページで詳しく解説しているので気になる方は見てください。

来店なしで内見から契約まで!最新のお部屋探し

国交省ガイドラインの詳しい内容

国土交通省 ガイドライン

では、ガイドラインに書いてある詳しい内容について紹介していきます。

全てを紹介するとなると長くなってしまうので、メインとなるところと、業界ならではの特徴的な取り組みについて抜粋して紹介します。

勤務・通勤時の対策

テレワーク(在宅、サテライトオフィスでの勤務)、時差出勤、ローテーション出勤(就労日や時間帯を分ける)、時短勤務、週休3日制の導入等で、交通機関の混雑緩和を図る。

公共の交通機関を使わずに、自家用車などの活用を奨励する。

事務所内における対策

従業員同士は2メートルを目安に(最低1メートル)、一定の距離を保って仕事をする。飛沫感染防止のため対面で座らないようにする。

マスク着用とこまめな手洗いや消毒を徹底する。

会議やイベントは人数や実施回数を減らす、オンラインで実施する等の工夫をする。

窓を開けて1時間に2回以上の換気をするか、機械換気を作動させる。

不特定多数が触れる箇所(ドアノブ、電気スイッチ、トイレ等々)は定期的に消毒する。

社員の体調管理

従業員に対して毎朝体調を確認し体温のチェックを徹底させる。

従業員に対して感染症対策の重要性を理解させる。

感染の疑いがある従業員や感染症から回復した従業員への差別がないよう配慮する。

体調の優れない従業員へは、各種休暇制度の活用を奨励し、場合によっては帰宅や自宅待機させる。

外勤・営業時の対策

公共交通機関の利用はラッシュの時間帯を避ける。

出張は地域の感染状況に注意し、不急なら見合わせる。

社外でお客様や取引業者と面会する場合は、面会相手や時間、経路、場所を記録する。

電話やビデオ通話を活用して対面での営業時間を短縮させる。

オンライン内見やIT重説を活用する

来客対応・接客時の対策

来店・モデルルームや案内所への来場は予約制にし、人数を絞り、一定の距離を保って対応する。

室内の換気を十分に行う。

店舗入り口に消毒液の設置や、対面する場所にはアクリル板かビニールカーテンを設置する。

店舗内やモデルルーム、案内所へ感染防止対策を示したポスター(保健所の連絡先を明記したもの)やロゴ、看板を設置する。

まとめ

以上がガイドラインの主な内容になります。

他の業界でも対策として取り入れているものも多いので、接客・サービス業の会社に勤めている方にも参考になるかもしれません。

4月からの全国的な経済活動の自粛によって感染者が減少しているものの、国交省は完全な感染症の終息までには時間がかかることを見越して、こうしたガイドラインを発表しました。

今回紹介した取り組みは、大手の不動産会社ではすでに実施されているものが多いです。

ただ、中小企業の不動産会社では、十分な対策をとれていない会社も多く存在しています。

しかし、今後は今回のガイドラインにある取り組みが中小の不動産会社にも広がっていくでしょう。

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Asari Kensuke
Asari Kensuke
事業用不動産の専門部署  業務内容:多摩エリア全域 事業用物件の空室対策や、空き家の活用、事業用不動産の売買などを行っております。 ◇宅地建物取引士 ◇賃貸不動産経営管理士 ◇不動産コンサルティングマスター
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