高齢者入居のメリットとリスク対策

現在日本が直面している問題の1つに「少子高齢化」があります。
特に単身高齢者の急増は大きな課題であり、1980年時点では88万人程度だった65歳以上の単身者は2030年には約9倍の800万人に迫ると推計されています。
この少子高齢化問題は賃貸経営をする上でも考えていかなければならない問題であり、賃貸住宅を基本的には借りるであろう若年者層が減っている中において単身高齢者は空室対策という面から見ても無視できない存在となってきています。今回は高齢者入居のメリットとリスク対策についてご紹介していきます。

【高齢者受け入れのメリット】
高齢者の賃貸ニーズが増加する一方で入居できる賃貸住宅はまだまだ不足していると言われています。理由は様々ありますが供給が増えない原因のひとつは賃貸オーナー様の高齢者入居に対する「漠然とした不安」があるのだろうと感じます。
平成28年の国土交通省の調査では約6割のオーナーが高齢者入居に対して不安感・拒否感を抱いている実態が明らかになっています。しかし一方で高齢者の受け入れにはメリットもあります。
①若年層とは異なる訴求ポイントでの集客
②年金収入による滞納リスクの防止
③長期入居の実現
④リノベーションなど高額な投資をしなくても空室が埋まりやすい
一般的な賃貸住宅に求める年齢層と高齢者層ではそもそも行動範囲やニーズが大きく異なるため、たとえば一般的には嫌悪されがちな1階の部屋でも足腰が弱くなった高齢者にとっては需要があります。
また若年層と違い結婚や子供が生まれたなど大きなライフイベントがないため引越しを繰り返す必要がなく長期的に入居となるも賃貸経営を行う上でメリットとなります。
【高齢者入居のリスク対策】
高齢者入居にメリットがあるとはいえ、孤独死や認知症に伴うトラブルなどを考えるとやはり高齢者の受け入れには消極的になってしまうと思います。その中でも出来る対策をご紹介します。
①高齢者向けの契約書の採用
「賃借人と○日以上連絡がつかない場合は警察立ち合いの元で室内に入る」などの特約を設ける
②見守りサービスの活用
見守りサービスは入居者に加入してもらい訪問型からセンサー感知型通話型など様々なサービスがあり現在注目されています。
【おわりに】
簡単ではありますが高齢者入居についてご紹介させて頂きました。難しい問題ではありますが賃貸経営を行う上で是非ご参考にして頂ければ幸いです。