家賃は消費税がかかる?

2019年10月1日より、消費税が10%に引き上げられます。2014年4月1日に5%から8%に引き上げられた後、2015年10月には10%に引き上げられる予定でした。しかし、増税が経済や生活などに与える影響を懸念し、政府は2度にわたり先送りをしていました。
今回増税にあたり、税制改正のポイントは2点あります。
①軽減税率
②経過措置②経過措置
まずは①軽減税率ですが、消費税の増税によって、高所得者層より低所得者層の方が負担が大きくなることを防ぐために、「日々の生活において幅広い消費者が消費・利活用しているものに係る消費税負担を軽減する」という考え方に基づき、特定の品目に対しては軽減税率(8%)が適用されます。その中でも特に「外食」については食べる場所などによって定義が細かく分類されているので注意が必要です。

次に②経過措置ですが、改正後の税率は、適用開始日以後に行われる各種取引に対して適用されますが、適用開始日以後に行われる一部の取引(請負工事や資産の貸付など)については、改正前の税率を適用するという経過措置が講じられています。
それでは、家賃についてはどのようになるのでしょうか。
結論から述べると、家賃には消費税がかかりません。国税庁のホームページには、「事務所などの建物を貸し付ける場合の家賃は課税の対象となります。この場合、家賃を土地部分と建物部分とに区分している場合でも、その総額が建物の貸付けの対価として取り扱われます。なお、住宅用としての建物の貸し付けは、貸付期間が1ヶ月に満たない場合などを除き非課税となります。ただし、契約において住宅用であることが明らかにされているものに限ります。」と記載があります。つまり、住宅として居住するために借りる場合は基本的に非課税ですが、1ヶ月未満などの場合は課税対象ということです。その他、事務所や店舗などの家賃は課税対象となっています。

初めて消費税が導入されたのは1989年(平成元年)でした。当初設定された消費税は3%で、家賃も課税対象となっていました。しかし、1991年(平成3年)10月に現在のような居住用としての家賃は非課税になったという経緯があります。その後、課税対象の見直しということで居住用の家賃も対象になるのではないかという話もありましたが、10%に上がる今回は課税対象にならなかったようです。