宅地建物取引士の法定講習とは

こんにちは。調布みつぎの武川です。

先日、宅地建物取引士の法定講習を受けてきました。これは、5年に一度、宅建士が受講する講習です。本日は、その法定講習の中身や、宅建士という資格について、簡単にご紹介したいと思います!

宅建士とは

まず、宅建士とは、どのような資格でしょうか。

一言で言えば、不動産取引のプロフェッショナルです。土地や建物を売買する不動産取引の際に、重要事項説明などを行います。宅建士しか行えない独占業務があることと、不動産会社には専任の宅建士の設置義務(宅建業に関わる従業員の5人に1人以上必要)がありますので、不動産会社には一定の人数の宅建士が所属しています。

正式名称は「宅地建物取引士」と言います。もしかしたら、「宅地建物取引主任者」の方が聞き馴染みがあるかもしれませんが、2015年4月より名称変更されました。

宅建士の法定講習とは?

宅建士は、宅建試験に合格したら一生有効でしょうか?

もちろん、試験に合格したという事実は一生有効です。ですが、不動産の実務を行うには、5年毎に宅建士証の更新が必要です。そして、この更新手続きというのが、宅建士証の期限日までに、法定講習を受講するということなのです。運転免許の更新に似ていますね。

先日、東京都宅建協会(ハトマーク)の法定講習会を受講しました。約250名が1つの教室で、朝10時から夕方5時過ぎまでの講義を受けます。下の写真にあるテキスト4冊分の講義を1日で受けますので、展開が速く集中力が必要です。講義は1級建築士や弁護士、税理士の講師陣で、実務上の注意点などを説明してくださいます。試験はありませんが、少しでも遅刻をすると後日講習の受け直しとなるなど、厳しい面もあります 😯

講習科目

  • 改正法令の主要な改正点と実務上の留意事項
  • 紛争事例と関係法令及び事務上の留意事項
  • 宅地建物取引士の使命と役割
  • 改正税制の主要な改正点と紛争事例及び実務上の留意事項

気になる判例

講習を受ける中で、気になった判例を1つご紹介します。宅建士の物件調査能力に、一定の高い水準が求められている判例です。以下、概要です。

 ・売主Yと買主Xは、中古住宅の売買契約を締結しました。

 ・実はその住宅、台所の一部が約8年半前火災で焼損していました。壁紙は張り替え済で、焼損跡は一見しただけではわかりません。しかし、台所を下からのぞき込めば発見できるものでした。

 ・火災の事実を知らず購入した買主Xは、不動産の価値低下や、そもそも火災を知っていれば購入しなかったと、不動産会社に対し損害賠償を求めました。

 ・結果として、焼損跡という隠れた瑕疵を見抜けなかった債務不履行責任と、説明義務違反があるとして、不動産会社の損害賠償が確定しました。(東京地裁・判決平成16.4.23 判時1866号65頁)

いかがでしょうか。

この判例には、宅建士にとって、いくつもの示唆が含まれていると思います(1円でも高く売りたいという売主の言葉を鵜呑みにしてはいけないとか)。日頃から不動産を取り扱う立場である以上、宅建士は建築士や工事業者ほど詳しくないとはいえ、建物に関して素人ではありません。つまり、知らなかったでは済まされない立場ということですね。

 最後に…

2020年には民法改正が控えており、宅建士も法改正に対応しなければ、と再度身が引き締まる思いでした。

トラブルを未然に防ぐために、常に知識のアップデートしなければなりません。これが不動産業の難しさの一方、楽しさ・やりがいなのだと改めて感じる良い機会となりました。

民法改正の中では個人的には、売買対象物に不具合や欠陥がある場合の売主責任について「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変更となる点が気になりました。

それはまた別の機会にご紹介していきたいと思います。

 

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宅地建物取引士、ホームステージャー1級、住宅ローンアドバイザー 好きな作家は森博嗣さん。 甘いものを食べてる時が一番幸せです。

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